若手社会人が身につけるべき時間管理とは
時間管理とは、時間の価値を知り、どの時間に何からやるかを意識しておこなうことです。 また、時間を無駄にしないために事前に予防することをいいます。
これには、同じ作業にどれくらい時間をかけるかという観点も含まれています。
1日18時間ずっと全力100パーセント、は不可能
全体での時間割が決まっていた学生時代と異なり、社会人になると1日の流れがばらばらになります。
一日中上司やマネージャーからの指示がなく、朝から夜まで何をやるかを自分で判断して決めていかなくてはいけない日もあります。
そのため、目の前の作業から順次やっていこうとするのですが、そのままだとうまくいきません。
なぜなら、人間は永遠に集中しつづけることはできないからです。
90分も作業すれば集中力は落ちてきますし、ミスをしやすくなります。
また食事をすれば眠くなりますから、作業効率も落ちてきます。当然夜になれば疲れてきます。
睡眠時間が8時間だとして、1日18時間ずっと全力100パーセントで集中しつづけて常に仕事をし続けることは人間の仕組みとしても不可能です。
そのため、集中力が高く保てる時間には集中力を要する作業をおこない、それ以外の時間にはエネルギーのいらない作業を組み込むべきです。
自分のなかに小さいタイムマネージャーを置いておき、 「はい、いまは集中力がたかいからヘビーなこの仕事をしなさい! 他のことはするな!」 「はい、いまはちょっとダラダラしていいよ。よくがんばったね〜」 「はい、最後ちょっとだけがんばろうか」 などを言ってもらうイメージでしょうか。
自分の集中力がもっとも出せる時間を知る
人によって、集中力が高まる時間は異なります。
おなじ25歳男性でも、朝10時ごろが一番集中できる人もいれば、14時以降にだんだんあがってくる人もいます。
また、典型的な夜型の人で、終業前後から頭が冴えてくる人もいるでしょう。
これはバイオリズム、脳内ホルモンの違いなので、多少は改善できますが、基本的に生来のものをいかしたほうがいいでしょう。
一日のなかでどの時間帯は作業がはかどるか、他の誘惑に負けずに作業ができるか。ミスをしないでサイボーグのように仕事をしつづけられるか。
それがわかっていると、エネルギーを要する仕事もこなせるようになります。
エネルギーを要する仕事の例でいえば、
・企画書を書く
・プレゼンテーションをおこなう
・新規事業を考えてまとめる
・新規の取引先に会うための資料をつくる
・文章を書く、なおす
逆にエネルギーがそれほどいらないものといえば
・人と会う、話す
・以前つくった資料を確認する
・会議に同席する
・いらない資料を整理する
・パソコンのデータを整理する
・ニュースを読む
などでしょう。
僕自身は朝の遅い時間(9時〜11時)と就業ごろ(19時前後)にもっとも集中力が高まります。
そのため企画書やブログの文章を書く時間にあて、不要なメール返信などはおこないません。ニュースを読んでいる時間も無駄です。
これが朝9時より早い段階から作業をしてしまうと、同様に集中力は高いのですが、すぐに疲れてしまって1日が使い物にならなくなります。
また16時〜18時は極端に集中力が落ちるので、その時間はリフレッシュや、パソコンを見ないで済むタスクにあてることに決めています。
時間の価値を知っておくことで1日の成果を150%にできる
うまく時間を管理できれば、自分の集中力が高く作業がはかどる時間に、エネルギーがかかるヘビーな作業を行うことで、仕事をぐんぐん進めることができます。
逆に集中力が落ちる時間に、少ない集中力でもできる作業をおこなえば、それほどロスがなく時間を使うことができます。
何も考えずに順番に仕事をこなしていった場合を100だとすると、ヘビーな仕事を短時間で処理して、それほど成果が変わらない仕事をロスなくこなすことができれば、1日の合計の仕事量は100ではなく120にも150にもあげることができます。
これが時間管理であり、効率化ではないでしょうか。
なお、古い人で自分の時間を「1時間無駄にしたから、900円無駄にした」「時給で考えると〜」などと言っている人がいますが、常に同じ作業を求められるアルバイトではないので、時間の価値をアルバイト的な時給で換算することはやめましょう。
時間管理で分類すべき、必要な時間と無駄な時間
会議は時間の無駄になりやすい
意思決定の場ですが、若手社会人のあいだは発言もしないのに同席させられることが多いと思います。
社会人2年目くらいまではそれでも仕方ないかもしれませんが、次第にイライラしてくるもの。
というか、社会人として順調に成長していれば、無駄だなと感じるほうが正常です。
特に発言するわけでもないのにどうしても同席しなくてはいけない場合は「休憩時間」と思って、割り切るしかないです。
移動時間と待機時間は意識せずに無駄になりやすい
都心部に住んでいると電車に乗っている時間が多いものです。 特に満員電車は作業もできず、乗客同士でストレスを抱えながら數十分を過ごさなくてはいけません。
できることといえばネットニュースをスマホで読むか、少しがんばってiPadか電子書籍リーダーを出して本を読むことでしょうか。 ただ、満員電車での読書は、自分の慣れているジャンルであればそれほど疲れませんが、知らないジャンルを学ぼうとすると疲れるものです。
電車の中では、ぼーっとしがちですが、30〜50分程度無駄にしてしまうこともあるかも。 ただしこれも、そもそもあまり作業がはかどらない時間に移動しているのならば、最悪何もしなくてもそれほど損はないはずです。
僕でいうと16-18時の間は作業をしようとしても読書をしようとしてもほとんどはかどらないので、割り切って移動や掃除、買い出しの時間にあてています。
時間管理の考え方や方法が身につく本
以上、時間管理について基本的に考え方をお伝えしましたが、ここからは時間管理の考え方や方法が身につく本について紹介していきます。
スピードと成果が劇的に上がる戦略 最強の優先順位
先ほど重要と緊急のマトリックスの紹介をしましたが、「それは実際には難しい」という立場から、優先順位を阻害する要因をブロックするという方法を説いているのが本書です。美崎さんによれば、優先順位をたてたところでそれを阻害する要因が6つあり、それぞれの対策を知っておくことが大切だということです。
例えば美崎さんが挙げるのが、いざこれから仕事にとりかかろうというときの「上司からの仕事の割り込み」。これは優先順位を立てたあとの阻害要因の筆頭です。上司からの割り込みをいかに防ぐかが、優先順位づけの本当のところだと言います。
美崎さんは著作も多く、いかにスピードと質を保って仕事をするかという方法論に長けた著者ですが、本書は彼の毎日の仕事のリアルから導き出された「仕事の決め方、捨て方、進め方」について惜しみなく書かれています。
このブログがテーマとしている内容に近く、このブログの読者ともかなり相性が良いはずですので読んでみてほしいですね。