考えを整理して問題を解決する!フレームワークの基本と実践がわかる本

アウトプット・実践術

フレームワークとは

フレームワークとはひとことでいうと、思考を整理するためのアイテムです。

たいていは1枚の紙の上でワークシート形式で表現することができ、決められた枠に決められた内容を書き込んでいくと、思考が整理されて問題点や足りない部分が明らかになるというものです。

世の中にはたくさんのフレームワークがありますが、書き方やワークシートが公開されているものが多く、名前さえ知っておけばインターネットで検索して使ってみることができます。

いずれもたくさんの会社の数多くのケースをもとにできるだけ一般化してまとめられています。
そのため、フレームワークの選び方さえ間違わなければ、たいていのテーマは当てはまることが多いです。

うまくいかない理由を考えるときはフレームワークが有効

フレームワークは特に、「なぜうまくいかないか」を分析して原因をつきとめるときと、「新規事業を思いついたときに穴がないかチェックする」ときに大いに役に立ちます。

物事がうまくいかないとき、自分の努力不足ではなく、そもそも仕組みや力の配分が間違っている可能性があります。

たとえば社内の仕事で、数人で分担している仕事の進捗が思うように進まない場合に、仕事の流れを図式化することでどこが課題になっているのかを発見することができます。
この場合は「バリューチェーン」と呼ばれるフレームワークに当てはめて考えるのですが、ワークシートにルールにのっとって書き込んでいくと、いままで気づかなかった欠点に気づくことができます。
「この3番目のポイントでつまずいていたのが原因だったのか!それなら、ここの人員を2倍にしよう」などの対策が打てます。

同様に、新規事業をこれから実行していくときにもフレームワークで考えを整理することが有効です。「これまで世の中の誰も思いついていないスペシャルなサービスを思いついた!これで俺は世の中を変えるぞ!」と息巻いていても、冷静に整理してみたら大きな見落としがあった、ということは珍しくありません。

フレームワークに当てはめて見てみると、大抵のアイデアは穴が発見されて悲しくなるものですが(僕自身も多く経験してきました)、しかしながら行動に移すまえに気づくことができるので重要です。
フレームワークで整理していないばっかりに気づくのが遅れ、金銭的に大きな損害が出るよりはマシですからね。

若手社会人が最初に覚えるべきフレームワーク

フレームワークには、若手社会人をはじめとした現場のプレイヤー用のもの、マネージャー用のもの、企画開発部専用のもの、もっと大きな流れをとらえたい経営層のものなどがあります。

フレームワークを使いこなすには、たくさんあるなかから普段使えそうなものを知っておき、その記入の仕方や分析例などを知っておくことが必要です。人の書いたフレームワークを見れば、自分についても分析の方法がわかるからです。

若手社会人はロジックツリーを最初におぼえよう

若手社会人が最初に覚えるべきはロジックツリーです。
これは、一つの物事を様々な側面から分解し、それぞれをさらに分解していくことで、その成り立ちや要因を明らかにしていく方法です。

たとえば、「なぜ自分は貯金がたまらないのだろう」という疑問を考えてみてください。貯金がたまらない要因として

・支出が多い
・収入が少ない
などが出てくると思います。

では支出が多いことをさらに分解すると
・食費が多い
・飲み会が多い
・交通費がかかりすぎている
・家賃が高い
・服を買いすぎた
などになります。

さらに食費が多いことを分解していくと、
・外食が多い
・大盛りや高いメニューを頼みすぎている
・間食が多い
などがわかってきます。

こうして問題を種類別にできるだけ細かく分解して発見していくことで、お金がたまらない理由をつきとめることができます。
ロジックツリーを書いた結果「お金がたまらないのは給料が少ないからだと思っていたけれど、実際は無駄なものを買いすぎていたのが原因だったな」とわかったりします。

ビジネスモデルキャンバスは仕事でも個人でも使える

続いておすすめなのが、ビジネスモデルキャンバスです。

ビジネスモデルキャンバスは、自分のリソース(たくさん持っていて使えるもの)から始まり、顧客像、顧客との繋がり方など各側面からビジネスの全体像を描き出し、「最初から最後までうまくまわっているか」「仕事の流れがどうなっているか」を一覧にすることができます。
ビジネスモデルキャンバスは特定の企業の事業、特にベンチャー企業の事業を分析してその強みを明らかにするのが主な使い方です。

このビジネスモデルキャンバスは、会社以外にも使えます。

特に社内であらたに新規事業や、新サービスをたちあげるときに、このワークシートのルールに則って記入することで、新規事業で足りないところがわかります。

また会社の事業ではなく、自分の強みを考えるうえでビジネスモデルキャンバスを応用することもできます。特に会社以外の個人活動で小さなイベントを開催していたりブログ等情報発信をやっていたりするときはビジネスモデルキャンバスをやっておくと失敗が減ります。

「自分にはこういう強みと人脈があるから、この活動を広げていくことができる。これならほかの人には負けないな」といったかたちです。または「自分の活動がうまくいかないのは、ビジネスモデルキャンバスのここが足りていないからだったのか。補完しよう」と発見することもできます。

フレームワークの基本と実践がわかる本

グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50

グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50

まずはこちら。基本フレームワークの名の通り、知っておくべきフレームワークが網羅されています。
グロービスの本のせいかちょっと文章が硬いので好みは分かれますが、フレームワークというものを知らない状態から、自分が使う可能性のありそうなものを見渡せる本です。
一覧性が高く、英単語帳のような感覚で持っておくと、忘れた頃にめくれるかもしれません。

特に掲載順序が入社からプレイヤー、マネージャー、経営層、社会法則と順に年齢をステップアップしていくので、冒頭から素直に身につけていくだけでフレームワークの基礎を身につけることができると思います。

本書の第1章が「クリティカルシンキング」となっていますが、これはそのまま個人レベルでの整理に使えます。
MECE、ロジックツリー、マトリクス、ピラミッド構造、パレート分析、相関分析、好循環と悪循環(強化型フィードバック・ループ)というキーワードが並びますがいずれもこれからずっと使えるものばかりです。
まずはこの1章を正確に理解し、具体例が必要であればそれぞれのキーワードをタイトルに冠した本をそれぞれ読んで理解を深めていきましょう。

ビジネスモデルYOU

続いてはこちら。会社員のうちは自社のビジネスモデル全体を正確に考えるチャンスがそれほどありませんが、じつはあらゆる会社にビジネスモデルというものが存在します。

通常ビジネスモデルというものは企業向けに使うものですが、それを分析するのに使われているのが「ビジネスモデル・キャンバス」。紙1枚に、「顧客は誰か」「どうやって顧客に届けるのか」「どのようなパートナー企業と組んでいるか」「利益はどのように返ってくるのか」など仕事に関わる要素を書き出して図式化するというメソッドです。

応用範囲が広く、足りない部分を明らかにできるという意味で評判の「ビジネスモデル・キャンバス」を使った分析手法は、これまでいくつかの書籍が出されてきました。

そのなかで本書は一風変わって、本来企業に使うべき「ビジネスモデル・キャンバス」の方法論をそのまま1人の人間に適用してしまおう、という発想がなされています。

たしかに、企業は法人として一人の人間のように扱うこともありますが、その逆で法人の考え方を1人の個人に生かすのです。それもフリーランスなどの個人事業主に限らず、会社員であっても使えるような一般化がなされています。

自分のメインとなる行動はなにか?
協力してくれる仲間はだれか?
どうやって世の中に届けるか?
などを整理することで、個人で見落としやすい部分を発見できます。

僕自身もこの個人版に影響を受け、自分で試したのちに友人たちにも書いてもらったりしていましたが、みな頭が整理されたという感想をくれました。社会人3年目くらいになったら一度書いてみると、自分のできていることとこれからできなくてはいけないことが明らかになってくると思います。

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