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僕自身は編集者ですが、カメラマンとして仕事をいただくこともたくさんあります。

もともと独立してすぐにカメラを使う機会が多く、撮影がわかればさらに仕事の幅が広がるのに、と感じていたことがきっかけでした。ウェブメディアでインタビューをすると写真撮影が必須ですから、必然だと思います。

フリーになって1年になろうかというときに、本格的な一眼カメラを買おうと思いたち、ショップを調べました。
結果的にソニーのフルサイズに魅せられて購入したかたちになります。

フルサイズ一眼を購入したことで写真を本格的にやっているな、という印象を相手に対しても与えましたし、自分の意識としても持てるようになりました。

写真を勉強するほど、世の中の写真についてその見方が大きく変わります
ここでは、フルサイズ一眼を買って変わった自分自身の変化についてお話ししていきます。

変化1 光の使い方を意識するようになった

良い写真を撮るには常に良い光を探し求めなくてはいけません。
屋外の日中であれば良い写真が撮れるのは十分な光量が足りているから。

たとえばパーティ会場でスマホで写真を撮ろうとしてもあまりきれいに撮れないのは光が足りないからです。
暗いところでもきれいに撮れるかが腕のみせどころです。

僕がメインで行なっているのは人物写真、ポートレートですが、ポートレートの場合、相手の時間も限られているため、限られた時間で相手と打ち解け合い、移動して背景を適宜変えながらできるだけ多くの種類の表情とシーンを残さなくてはいけません。
良い撮影のためには、ライティング機材を使うために重い荷物を運ぶ必要がでてきます。重い荷物のほとんどはレンズやバッテリー、ストロボとストロボをコントロールするための機材です。

そこで必要になってくるのが「素早く移動する」こと。
路上であれば次々と移動しながら公道上で撮って、次に移動。
ファッションスナップであれば着替えの時間もカウントしておかなくていけません。
また車が通っていない瞬間に撮ることだってありますから、常に周囲の道路状況を把握しておかなくていけません。
合間をみてストロボ機材をセッティングして、ミスなく撮るのが腕の見せ所です。

どう撮るかを考える際に、参考になるのは、プロカメラマンたちによる写真です。
自分が良いなと思った写真を覚えておいて、それを現場で再現できるようにするのです

記憶に残りやすいのは、駅や電車内にある広告ポスターです。女性タレントの美しさを最大限引き出しつつ、同じモデルのほかの広告とは差がつくような工夫が随所になされています。光のコントロールひとつとっても、眼をきらきらさせる撮り方もあればあえてクールに撮るやり方もあります。

「自分だったらどう撮るかな」
「これ、どうやって撮っているんだろう?」
というかたちでどの広告を見ても発見と驚き、学びがあります。印象に残ったものは自分の技術にするべく、頭に入れておき、いざ現場で試せるときに試すのです。

変化2 費用対効果を考えて行動するようになった

カメラの機材は高額です。
レンズ一本10万円でも安いほうで、なかには20万円、30万円のレンズもあります。会社員であればボーナス残額全部はたいても買えるかどうかわからないものもあります。

ここでカメラの特徴として言えるのが、すこし性能を上げるだけで値段が2倍、3倍になっているということです。
値段が2倍だからといって性能が2倍になるわけではなく、よりちょっと優れているから値段が2倍というのが当たり前なのです

ひとえに生産数が少ないために高額になるのですが、たとえばレンズ。
明るくぼけが強く効くレンズは、さらに一段階明るくぼけを強くした物と比べて10万円差がついていたりします。
明るくするためには基本的にレンズを太くして光が入りやすくしなければいけないので、高いのに重くてでかい、という結果になります。

カメラの世界はちょっと変で、重いとダメというわけではなく、重いと所有している感じがあるため、満足感もあがるという逆転現象があります。
時代と逆行するかもしれませんが、カメラが好きな人が重いレンズをわざわざ運んでいるのはこういう理由です。

30万円のレンズを買うと、10万円以下のレンズと比べて、素人目にはどこがちがうのかわからないときもあります。線がよりかりかりで鮮明だったりぼけの丸さが美しかったりと、プロから見ると違いがわかるのですが、果たして20万円の価値のある差なのかは個人の好みになります。

カメラをやっていると、当然いまよりももっと良いレンズでもっと美しく撮りたい!と感じるのですが、レンズを30万円の物にしただけでは、相手(素人)から喜ばれる量はそれほど変わりません。

ここで大事になるのが、コスト判断。10%の品質アップのために、3倍のコストをかけるのか、という判断になります。

趣味ならかまいませんが、ビジネスとして考えるとほどほどのカメラとほどほどのレンズでも撮り方と設計で十分いい仕事はできるため、不要です。
(そう言いながらも僕だって30万円の望遠レンズで、一年以上ほしいものはあります。それも2本)

カメラは機材にこだわりだすとキリがないですし、消耗品で故障も多いので一度買えばずっと使えるわけでもありません。
照明機材や美術なども含めて、こだわりだすとキリがない世界です。

趣味ではなくビジネス制作として行なう以上、どこかで妥協しなければ撮影が続けられなくなってしまいます。
毎日使うものですから、コスト感を意識して機材を選ぶようになりました。

変化3 自分の良いと思ったものとお客さんが喜ぶものの違いがわかった

こちらが最高の機材で撮ったとしても、相手が喜ぶかどうかは別問題です。

合計30万円の機材で気張らずに撮ったときのほうが、合計100万円の機材で気合いを入れて撮った自信作よりも喜ばれることだってありえます。

「これだけの高い機材を使ったのだから、喜んでくれよ」というのは、制作側の勝手な都合です
女性だと機材がいくらだろうとそれほど興味がないし、画質が良いことやピントがばっちり合っていることよりも、表情がよいことのほうが喜ばれることも珍しくありません。

またいくつかパターンを変えて背景も変えたもののなかから「きっとこの写真を使ってくれるだろう」と思っていたのに、実際使われたのを見ると自分が候補にもあげていなかった写真だったこともありました。
がっかりしたわけではないのですが「え、それでいいものなのか」という感想でした。

こちらのやりたいことだけを一方的にやっていいのは表現としてのアーティスト活動のみです。頼まれて行うクライアントワークの場合は相手が喜んではじめて成立します。

相手の意図が強く反映されるポートレートでは正解がいくつもあるということです。
こうした経験から、自分の良いと思ったものとお客さんが喜ぶものにはある程度違いがあり、必ずしも自分が選んだものが正しいわけではないということがわかりました。お客さんが喜んでくれるのが第一ですから、この視点は忘れないようにしたいものです。

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Ryuki Hayano

早野 龍輝 (Hayano Ryuki→はやのん)編集者&メディアディレクター。 2012年、新卒から書籍編集者となり、ビジネス書づくりをスタート。自己啓発や経営書を中心に、自分と同世代の読...

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