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本を買うとき、人は何を考えているか

人間が本を買うときに実は覚えておいて欲しいことがあります。
ベストセラーは必ずしも自分にとって良い本とは限らないということです。

人間はタイトルに惹かれた、表紙が気に入ったなど、自分にとって心地が良いものを知らず知らずのうちに選ぶ傾向にあります
さらには、自分が言ってほしいことを言ってくれている本、代弁してくれている本を選ぶ傾向にあります

世の中の人が言って欲しいことをタイトルにしている本が売れるわけです。

自分の主義主張と全く違う本は、意図しないと手に取りません。
フラットな状態で、自分の居心地が悪いことを言っているものは、知らず知らずのうちに避けてしまい、手に取らないものです。

例えば、癌に対して社会的不安があったとしたら、癌は放置していいというタイトルの本を見て「そうか、癌は放置していいのか」という印象が生まれます。
その内容を支持したい、信じたい・・・という気持ちで本を手に取るでしょう。
そこに批判的精神はなく、あるのは安心や気休めという心情です。

ベストセラーは世の中の声の代弁になる

では、世の中の多数がこういう本の選び方で本を選んだ場合何が起こるでしょうか。
世の中が今言ってほしいことを大きな声で言っている人の本がベストセラーになるのです。

日中関係が悪化しているならば、中国について悪く書かれた本や、中国についてスキャンダルをたくさん書いた本が売れるでしょう。
円安になれば得する人が多いなら、円安について賛同している経済学者の本が売れるでしょう。
こうして「世間の多数の人が言ってほしい事を言っている本」がベストセラーになっていきます。

世の中のベストセラーを支えているのは40代・50代・60代の中年層です。
中年層が代弁してほしいことを言っている本が、ベストセラーになりやすいということです。
特に地方郊外の小型中型書店で売れている本は、中年読者の支持を得られた本が多い傾向にあります。

さて、果たしてその中年層は成長や学びのために本を読んでいるのでしょうか。
どちらかといえば今現時点で安心を得るために本を買っているのではないでしょうか。

20代は中高年のベストセラーを気にする必要はない

では果たしてそれは若い読者が20代読者の時間を使って読むべき本なのでしょうか。
答えはノーです。

安心したいというマインドで買われた本がベストセラーになったとしても、これから読書によって学びを得て成長していきたいと考える若手ビジネスマンの選ぶべき本ではありません。
ベストセラーの中の一部は、成長や学びをもたらしてくれるというよりも、むしろ時間をかけるべき本ではないものがあるかもしれません。

「こんな本が売れているから自分も読まなきゃ」「買わなきゃ」と考える必要はないですし、買った目的が違う人たちによって作り上げられたベストセラーに時間を割く必要はないということです。

20代の学習意欲の高いビジネスパーソンは、本を買う読者層全体の割合でいえば、それほど多数派ではありません。
そのため、若手層にとって書かれた本があったとしても、書店全体のベストセラーにはなりにくいということは留意しておきましょう。

若手層だけにしぼったベストセラーは価値あり

ではベストセラー全てが意味がないかというと、そういうことはありません。
若い層に限って売れているベストセラーであれば注目してみる価値があるでしょう。

若い世代に向けた質の高い本がベストセラーになっているのであれば、当然自分にとっても役に立つ可能性は高いからです。
若い人に支持されている本だったり、新たな定番書として出版社が丁寧に作った本だということもあるためです。

例えば、若手向きの自己啓発読み物や仕事術、「会社員一年目の教科書」といったテーマなど、読者層が明確に若手ビジネスパーソンに限定されている本。
または、内容をちらっと立ち読みしてみて、内容が詰まっている本。

これらは「当たり」のベストセラーである可能性が高いです。

まとめるならば、売れている本=ベストセラーは必ずしも自分にとって良い本とは限らない。
しかし、読者層として自分に近い層に向けて作られたものであれば読む価値はあり、ということです。

数年前のベストセラーはブックオフの値段で価値をはかれる

中古書店で、過去のベストセラーのうち、自分に近い層に向けて作られたもので、いまでも価値があって読むべき本をはかることもできます。
ポイントは、「新刊での価格と比べて、あまり値下がりしていない中古本を選ぶ」ということです。

発売から1年以上経過した方はブックオフなどの中古書店でも容易に手に入れることができます。
そのうち、内容が優れており、多少年月が経過しても売り物としての価値があると判断された本は、値下がりしにくい傾向があります。

例えば新刊の価格が1300円の方が、一年経ってブックオフで850円で売ってあった場合、本としては価値がほとんど下がっていないと考えられます。ロングセラーとして新刊でも売れている品目かもしれません。
どこのブックオフにいっても見かける高値の本は、良書である可能性が高そうです。

逆に新刊のときはベストセラーとして電車広告など派手に宣伝されていた本も、1年ほど経過してみるとブックオフで200円で売ってある場合があります。
これは年月とともにその価値をグッと下げている例です。
著者が一過性の知名度を得ていたり、経済情勢など、テーマにしている内容が大きく変わってしまった場合などに値崩れするようです。

なお、ビジネス書についていえば、発行から10年以上経過した本はできるだけ後回しにしましょう。
ビジネス書は内容の進歩が早く、また安いからといって飛びついていると古い内容で時間を無駄にする可能性が高い代物だからです。
街の個人書店のワゴンセールなどで投げ売りされている本はあまり気にする必要はありません。ご注意を。

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Ryuki Hayano

早野 龍輝 (Hayano Ryuki→はやのん)編集者&メディアディレクター。 2012年、新卒から書籍編集者となり、ビジネス書づくりをスタート。自己啓発や経営書を中心に、自分と同世代の読...

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