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プロハとは

プロハとは、TOKYO PRODUCERS HOUSE(トーキョープロデューサーズハウス)の略で、2015年4月に東京都千代田区の神田錦町にオープンした、コワーキングスペース&イベントスペースのことを指します。

元々雀荘だった2階を、手作りで改装し、自らコンセプトをつけてメンバーを募集し、開業したのが始まりになります。

現在は僕ではなく、株式会社ジョブライブが中心になって運営していますが、僕も創業メンバーとしてイベントを開催したり、イベントに参加したいと言った関係が続いています。

自費出版の経緯

さて、プロハでは創業オープン一周年を記念して、2016年に本を出すことになりました。

本を出す上では単なる冊子作りよりは、もう少し一般的な販売経路を作ろうということで検討し、オーナーが費用を負担する形で自費出版という形をとることになりました。

オーナーである弦本さんからの提案

オーナーである弦本さんは、自分のビルに入居しているトーキョープロデューサーズハウスのことを非常に理念に共感していてくれていて、自ら費用を負担する形でプロハの良さを世の中に発信していき、さらに面白いことが起きる下準備を一緒にやって行こうという心構えの中、製作を提案してくれました。

僕自身、イベントスペース運営をジョブライブに任せた後の話だったので、自分がプロハに役立てるにはこの本作りがいいだろう、という思いもあって制作をスタートさせました。

メンバーのことを深く知りたかった

イベントスペースとして開業したぶん、開業するにあたっては最初同世代コミュニティの知り合いをメンバーにしていきました。

次第に新規メンバーを獲得するにあたり、知らない人が会員になることが増えてきました。
もともとお互い仕事も違う分野で、イベントをやっている主催者という形で知り合うのですから、仕事についてはあまりお互いについて知らないということが起こっていました。

お互い日頃から顔合わせているけれども、お互いの仕事の質や知らない状態が続いていたのです。

これはあまりよろしくないなという感覚があり、できることならメンバーのお互いのことについて深く知りたいなと考えるようになりました。

そのため、本を作るにあたってはお互いの仕事やこれまでの生い立ち、経歴、ストーリー、自分の人生、大切にしてることを語ってもらうことで、お互いを深く理解できる本ができるんじゃないかと考えるようになりました。

単なる会員制ではなく会員同士が交流する雰囲気を作りたかった

会員制のコワーキングスペースや会員制のイベントスペースは都内に数多くありますが、プロハはそうした単なる会員制ではなく、お互いの会員のことについてお互いが深く理解し合い、必要とあれば助け合える関係を大事にしたいと考えていました。

そのためにはお互いの仕事や理念について深く知っていることが必要です。

単なる会員制ではなく、会員同士が交流する雰囲気は、一朝一夕にできるものではなく、それには仕事に対する深い理解と、日頃から顔を合わせる環境づくりの両方が必要になります。

その一助となるのが本の形でそれぞれのインタビューをまとめ、誰もが読める形にして形に残すことが必要だと考えました。

本を置くことで来訪者にもインパクトを与えたかった

ここまでは会員同士のことを知るという内なる目的ですが、当然本を作るからには外部の人に対してもプロデューサーズハウスを知ってもらう必要があります。

本を作って置いておくだけで、本を出せるレベルの団体だということが外部にも伝わりますから、これは今後プロハをより多くの人に知ってもらい、認知されていく上で必要なことだと考えています。

そのため、本を置くことで来訪者にインパクトを与えることを第二の目的とし、カバーデザインやタイトルにもこだわりを見せることにしました。

またデザインもフルカラーにすることで、来訪者でも気軽に読むことができ、また明るいイメージで自分たちのことを知ってもらう、その目的が果たせる冊子を目指しました。

制作期間は短期間でわずか3ヶ月半程度で制作にあたりました。

取材をするにあたっては、もともと知り合いのメンバーを取材していくわけですから、取材先選定や構成案についてはそれほど問題ありませんでした。

しかしながら、毎日来ているメンバーもいれば週1回、月1回しか来ないメンバーもいますから、それらのスケジュールを合わせて取材をし、写真を撮り、原稿を回覧し、チェックし最新の形にまとめて再度チェックしてもらうという作業は、なかなか3ヶ月でも難しいものがありました。

また僕自身もフルカラーの冊子制作というの実は初めてだったので、自分自身も大きなチャレンジをしながら制作を進めていたことになります。

しかしながら当初に決めたメンバーがお互いのことを知ること、並びに来訪者がプロハのことをよりよく理解し、理念を知ってもらうことを大事にするために、自分の編集できる全てをかけて本を作っていきました。

適宜オーナーの弦本さんとも話し合いながら、本の方向性を見ながらどうすれば本が一番良い形になるかを常に話していたのを覚えています。

コワーキングのメンバーがフルカラーのインタビュー冊子を作るのは、当時としては前例がなかったものですから、どんな本を参考にするべきかは非常に考えました。

結果的に、おしゃれ系の雑誌、インタビュー雑誌として「ケトル」などの毎月固定のテーマを決めて総力特集をするようなタイプの雑誌のデザインを参考にしました。

刊行後のはっきりとした変化

はっきりとした変化として刊行後にいくつか感じることができました。

まずは、当然ながら本が販売されているわけですから、常に本の現物が販売されている状況を作ることができました。
そのため、初めて来たお客さんに対しても、「こんな本を出したんですよ〜」というかたちでプロハを説明することが容易になりました。

プロハの内装をみせながら口頭で説明するのも大事ですが、それと同じぐらい本を見せながら本の内容を紹介していくことで、プロハがどのような人たちによって、どんな思いで構成されているのかを短時間で説明することができるようになりました。

プロハは実際に来てみないとその魅力がわからないといったタイプのものですから、直接来てもらった人に対して、最初に来てもらったときのその感動や、驚きの気持ちを大切にしてもらいながら、プロハを印象付けてもらうことが大事になっています。

そのため、本を紹介する場合も、スペースの紹介に合わせて本を説明するといった形をとっていました。

始めてプロハにお客さんに説明しやすくなった

そのため、初めて来たお客さんがプロハを気に入り、さらにその場で本を買ってもらうということも起こるようになりました。

本の価格は2000円ですから、いきなり買おうと思って衝動買いするにはいささか高い値段かもしれません。

しかし、プロハの良さや素晴らしさを体感した人は、その2000円をすぐに払ってくれたのです。

これは大きな発見でした。こうした買い方を「お土産需要」と呼んでいるのですが、観光地でお土産を買うような衝動買いをさせるような魅力の持った本であることがわかりました。
この点で、フルカラーにして良かったなと思いました。

業界紙の取材が来た

本を出すことで営業開始から取材を依頼されるようになりました。

もともと弦本ビル運営当初から、何度か取材してくれていた「週刊ビル経営」という会員制の会報誌があるのですが、こちらの記者さんが我々と同世代ということもあり、本を出したことに興味を持って、再度取材に来てくれました。

本を出した経緯や、本を出して変わったことなどを30分程度取材をして、業界紙の一面にフルカラーでまとめてくれました。

その新聞の現物は我々としても非常にありがたいものですから、額に入れて飾ってあります。たとえ業界紙であっても新聞に取材されたという事実は私たちを大きく成長させてくれました。

自分たちがやってきたことが、こうして本の形になり、新聞に取材されるということは積み上げてきたものが人に認められていくような感覚がして、非常に嬉しかったものです。

本をテーマにしたイベントができるようになった

もう一つの変化としては、本をテーマにしたイベントができるようになったということがあげられます。

プロハについて知ろう、プロハについて知ってもらい、さらにメンバーを増やしたりリピーターを増やしてもらおうという時に、本を切り口にしたイベントを開くことは非常に有効です。

出版記念イベントという形で本を買ってくれた人たちにさらにイベントの案内をすることで、本に出てくるインタビュアーたちの話を聞こう、本の内容をより深く知ろうといった形でイベントを組むことができます。

本を読んで参加してくれる以上、参加者はある程度共通の認識があり、また興味を持っているという点で属性も似通ってきます。

そのため、参加者同士の結びつきも強くなりますから、本を起点とした人間関係が生まれていくことが実現できました。
これは単に本を書店で売るよりも、イベントスペースで売るということで実現できた変化のひとつだと思います。

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◎本についてはこちらでまとめています↑↑

本づくりにおいて大変だったこと

続いては本を作って大変だったことについて体験を話していきます。

お金がかかる

まずは何よりお金がかかるということです。

自費出版ですから、印刷費も含めて人件費も含めて、数十万円単位のお金が飛んでいきます。

今回僕自身も初めてということもあり、編集費は頂いていなかったので、50万円以下で制作することができましたが、それにしても、50万円を本で回収するにはそれなりの冊数を売らなければいけませんから、やはり費用はある程度赤字になってしまいます。

赤字になってでも得られた物が大きかったため、結果オーライではありましたが、やはり数十万円のお金がかかったということは事実ですから、万人にお勧めできるものではないのかもしれません。

時間がかかる

もう一つは時間がかかるということです。仮に3ヶ月半という期間を圧縮したとしたらクオリティーが下がりますから、最低でも3〜4ヶ月、平均半年程度の時間は必要になってきます。また多少他の仕事を優先している期間があると、さらにこの期間が延びて半年とか8カ月とかかかってしまうことがあるでしょう。

あまり時間がかかってしまうと、インタビュー冊子だと内容が変わってしまう、内容が現実とそぐわなくなってしまうという恐れがあるので、短期間で作らなければいけませんが、そうした時間との戦いという意味でもハードな面がありました。

通販が面倒

3つ目が通販が面倒だということです。書店流通は Amazon 上だけで行なっていたのですが、Amazon のページに行き着くにはインターネット上で検索してもらわないといけないため、偶然の出会いがなかなか生まれないということもありました。

また、Amazonで販売するものとイベントスペースで販売しているものは微妙に版が違ったこともあり、イベントスペースで販売しているものを欲しいといった希望者も現れましたから、その場合レターパックで送ることが必要になり、その詰め替え作業も面倒なものがありました。

売上管理が適当になりがち

さらに面倒だったのが売上管理です。イベントスペースで販売している以上、弦本さんや僕がいない時にも本を買いたい人は現れます。

本は一冊2000円ですから、2000円札を売上のレジに入れてくれれば一冊持って帰っていいというのは確かですが、誰が誰に売ったのかわからなくなってしまうため、結果的に部数の管理や売上金の管理が曖昧になりがちです。

特に、メンバーが知り合いに売った場合に、その2000円をちゃんとレジに入れてるのかどうかがわからなくなることがありました。

商品現物を誰でも手に取れる状態で置いている以上、仕方ないことかもしれませんが、横にノートを置いておくなどして、在庫管理は厳重に行うべきだなと思いました。

コミュニティのメンバーが抜けたりすると大変

さらに、メンバーをインタビューして紹介するという冊子の性質上、製作途中でメンバーに変更があったり、トラブルがあったりすると非常に面倒なことになります。

全員を平等に扱うために、誰かを意図的に外したり、誰かを意図的に載せなかったりということができない類のものになりますから、その場合全員が仲良く掲載することがゴールになります。

期間を短くすれば、全員の状況が変わる前に本文を終わらせることができるため、それほど問題にならないのですが、制作期間が長引けば長引くほど、誰かのメンバーが抜けたり、トラブルがあったり、書いてる内容が大きく変わったりして、変更してくれと要求されることがあります。

制作側としては、ページ数が決まった段階で変更を要求されるのは非常にダメージの大きいことですから、これらメンバーの変更についても対応しなければいけません。
こうした、載せる人がある程度変えられない状況での本作りは難しいものがあるな、と感じました。

置き場所に困る

最後は在庫の置き場所です。イベントスペースで運営している以上、スペースは有限ですから、残った在庫をどこに管理しておくかは常に悩みどころだと思います。

販売者の家なのか、イベントスペースの見えない場所なのか、別のフロアなのか、などを全員と話し合って決めなくてはいけません。

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◎本についてはこちらでまとめています↑↑

自分たちを表明するのに、本や冊子づくりは有効

以上、本づくりの経緯と結果についてまとめました。

大変な部分もありましたが、小規模で濃いコミュニティは本作りに向いているなと考えています。

メンバーひとりひとりにインタビューをして本にしていく作業は、世の中の流れから見れば、何をそんな身内でやってるんだと思われるかもしれません。

しかし、本づくりによって自分たちの目の前のつながり、熱い気持ちを形にしていくことは自分たちを何より成長させてくれます。

一定の理念やゴールに向かって集まった社会人や起業家たちが同じメッセージを発することは対外的にも求心力を発揮します。

小規模で濃いコミュニティは、本づくりに向いている

小規模で濃いコミュニティこそ、本を作るのに向いているのではないでしょうか。
本を作ることでその団体が持っている熱い思いや求心力をそのままパッケージして、より多くの人にその勢いを届けることができますから。

また、本を作ることで一人一人に興味を持っていることが当たり前になる雰囲気を作ることができました。

一人一人に興味を持ち、知ることが当たり前になった

それまでは会員に対して顔は知っているけれどもで深い仕事の知らないということがなんとなく当たり前になっていたのですが、やはりそれではいけないということで、お互いを知り、お互いについて深く知ろうとするために、本を読むということが当たり前になりました。

これはメンバーを結びつきを強めるという意味でも非常に有効だったと考えています。

本をつくることは、世の中に「打って出る」こと

本を作ることは世の中に打って出ることです。

小規模で濃いコミュニティだからこそ、自分たちの理念や自分たちのストーリーを形にすることで世の中に対して打って出ることができます。

そのためのツールとして冊子作り本作りは非常に有効なものです。

多少お金は手間がかかりますし、気苦労も多いですがやってみる価値はあるのではないでしょうか。

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Ryuki Hayano

早野 龍輝 (Hayano Ryuki→はやのん)編集者&メディアディレクター。 2012年、新卒から書籍編集者となり、ビジネス書づくりをスタート。自己啓発や経営書を中心に、自分と同世代の読...

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