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本づくりにおいては、それぞれの担当編集者のこだわりが強く反映されます。
ここでは、現役編集者として、僕が本をつくるときに何を大事にしているかをお話しします。

◎本を書きたい人、ブログを本にしたい人向けの内容をまとめました↑↑

こだわり1:最初に気持ちを確かめる

本づくりは、著者と編集者との一対一の作業です。

ビジネス書をつくる場合、ほとんどが聞き書きによって執筆を進めることが一般的です。

そのため、すでに書かれている原稿を待って出版するというよりは、一緒に取材して一緒につくっていくというスタイルになります。

本づくりにおいては、企画段階の前半で著者の人と直接会います。

・本にかける想い
・本にかける意味合い
・本づくりにどれぐらいモチベーションを持っているか

「いきなり暑苦しいな」と思うかもしれませんが、初期段階ではむしろ、内容よりも気持ちの面の打ち合わせが大事になります。

たいてい「ビジネス本を書きたい」という人は毎日忙しく、また本づくりは長期間に及ぶことがほとんどです。すると、途中で本に対する気持ちというのはどうしても一度か二度はかすんでしまうときがきます。中には、「やっぱり本は出さなくてもいいや」となってしまう人もいます。そもそも本を出さなくても、本業で稼いでいる人たちが多いので、それは仕方のない面もあります。

確かに、ビジネス書をつくる手間を考えると、途中でやめたくなる気持ちもわかります。
印税は本業で同じ時間働いた分の収入に及ばないでしょう。
しかし、本を出すことは金銭的では測れない価値があります。
直接的な儲けは少ないかもしれないけれども、本を出すことでどんな未来がもたらされるか。そのイメージを最初段階で二人で共有するわけです。

本がいろんな人に読まれることで会社の商品やサービスに対してどんなイメージが付くかとか、どんな人たちがどんな感情を持って反響を返してくれるのかとか、イメージできるように、できるだけ言葉で表現します。

そのイメージが共有された上で、やっと本の目的や出版の目的を細かく文章化していくわけです。

逆に、目的がはっきりしないまま構成を作ってしまうとなぜ書いてしまうのかが分からなくなってしまうため、途中で絶対挫折するんですね。

実際、編集者をして6年になりますが、未だに本づくりの途中で挫折することはあります。
それは時間がとれないからというよりは本を作ることで実現する未来の共有ができていなかったことが原因だと思います。

こだわり2:分量を確保するために構成案をつめる

気持ちが確認できたら、次は構成案をつくっていく段階です。
本を出すには、ある程度の分量が必要です。本を一冊書ける分量を確保するためには、特定のネタだし作業が必要になります。
というのも、本は気持ちだけではどうしても書ききれないからです。強い気持ちがあったとしても、ネタがなければ本はできあがりません。

ビジネス書であれば、200ページ程度は必要です。少なくとも160ページ、多くて288ページ程度の分量になる取材量を、事前に確保しなくてはいけません。
「取材しながらネタだししていく」は絶対NGです。
書き始めた時はいけそうだと思っていても意外と書いてみたら30ページぐらいにしかならなかったということは珍しくありませんから。
本づくりは、一度取材をスタートしたら完成まで止められないものです。そのため、途中でネタ切れになって中止、ということは絶対に避けなければいけません。

さて、企画構成案を最初に作る際には、「このネタだったら絶対に一定の分量が話せる」というテーマを、確実に一定数揃える必要があります。
「このネタだったら6ページ分を話せるとかこのネタだったら10分は話せる」といったものを、いくつもいくつも並べていくのです。

それを細く積み上げておかなければ、途中でネタ切れしてしまったら息切れしてしまいます。
このため、最初に1冊分確実に企画構成案を詰めてから取材をスタートさせることを大切にしています。

構成案づくりはやはりプロの技術だし、目次構成案を正確に作るということが最初で一番大事な仕事になります。
構成案づくりを経て、「この目次だったら確実に一冊が作れる」と自信を持てるのは、プロの編集者の長年の経験によってのみです。

良い編集者は取材を開始する時点で、本の完成形が頭の中にイメージされています。その頭の中のイメージの中に文章もおおよそ埋まっていて、取材ではそのイメージ通りに予定を進めていくだけなのです。

こだわり3:トラブルなく確実に仕上げる

企画構成案が始まったら、あとは確実に作るのみ。
ライターはフリーランスのブックライターさんなのでお願いした時点でお金が発生してしまいます。そのため、むやみに制作期間を長引かせるわけにはいきません。また、
大量の印刷物なので、印刷所のスケジュールもある程度押さえたうえで動くことになります。

さて、本づくりにおいてトラブルになるポイントはたいてい、以下のどれかです。

取材がうまくいかない
著者の原稿チェックの時間が取れなくなる
印刷所とのやり取りの中で勘違いが起こる

このどれについても、原因を察知してあらかじめブロックしておくことが大事です。

いずれにしても、単一のテクニックだけではどうしても防ぎきれない面があります。最終的には直接足で解決するしかない、ということも日常茶飯事です。
「この本をできるだけ早く出したい」という時には毎日のように家に行き、取材を確実に進めるようお願いしたこともありました。
原稿チェックも、メールでwordファイルを送付するだけでは気づいてもらえないだろうという時には、「直」。印刷して直接持っていくようなこともしていました。
泥臭く、紙で印刷して後はこれをペンで直してくださいというだけの状態に持っていけば仕事は早く運びますからね。

著者と対等な関係を築くことで仕事がやりやすくなる

ビジネス書の場合はネタ出ししているのが編集者側です。
そのため、単に原稿をもらうだけの一方的な関係ではなく、著者と編集者が対等な関係を築けるように心がけています。

そのため、最初段階でこちらができるだけ力をかけて熱意を伝えることで、一方的に著者が上の立場に立つのではなく、著者と編集者が対等な立場になることを意識しています。双方が忌憚なく意見を交わせるような環境がベストです。「あなた一人では絶対にこの本は作れない。私と一緒に進めることで最高の方を作りましょう」ということをわかってもらえれば、仕事もやりやすくなります。

信頼関係ができたら、仕事の細かいやり取りも丁寧かつ確実に行うことで信頼を得ます。
熱さと冷静さ。両方をうまく使いこなすことで、編集者の仕事は何倍も面白くなるのだと思います。

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Ryuki Hayano

早野 龍輝 (Hayano Ryuki→はやのん)編集者&メディアディレクター。 2012年、新卒から書籍編集者となり、ビジネス書づくりをスタート。自己啓発や経営書を中心に、自分と同世代の読...

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