仕事ができる人は机がきれい? 仕事デスクの整理の仕方がわかる本

モノと心の整理

社会人は仕事デスクの散らかりと毎日戦う

社会人になると仕事のデスクが日々散らかっていきます。
どんなに広い机を使っていても、片付けないのであればかならず机は散らかります。

机が散らかっていると、必要な資料がどこに行ったのかわからなくなったり、物が置けなくて困ったり、不都合が多くなります。
書類を溜め込みすぎて、ちょっとした拍子で書類の山が崩れて床に落ちた・・・という光景も、机を片付けていない人であれば珍しくありません。

机を散らかしにくる資料、本、名刺、文房具、食べもの

机が散らかるには様々なものが置かれている中で、どんなものが机を散らかす原因になるのか。それを知っておくのが大事です。

たとえば会議の資料。会社で会議に出席するたびにたくさんの配布資料が全員に配られる場合は要注意です。1週間ごとの部会で、営業報告などを見るのに使うのでしょうが、たいていの社員にとってそれらは保存するほどのものではありません。資料はそれをもとに現在自分の部署がどういう状況にあるのかを把握するためのものですから、目的を達成したら捨てればよいものです。
しかし、「後から見るかもしれない」というつもりでいると、ついつい机の上に置いてしまって、それが毎週積み重なっていくとあっという間にスペースがなくなります。

続いては仕事で使う本。雑誌であれ単行本であれ、本のサイズがバラバラだと、積み重ねるだけでも面倒です。また、デスクの上にブックスタンドなどを置いても、本を並べていくうちにすぐにいっぱいになってしまいます。

他には名刺を入れるフォルダや、仕事で使うペンなどの文房具などが机を圧迫してきます。

意外に場所をとるのがコーヒーなどのマグカップやお菓子の箱などです。特に電子機器や書類が濡れないように、飲み物関連は周囲とスペースを確保しなくてはいけないので、余計にスペースが必要ですね。

またお菓子の箱も要注意。高級洋菓子の箱が捨てるに捨てられず、机の上にそのままになってしまうこともあるかもしれません。
何かに使えそうだからとっておこう」という考え方ですね。これも机をごちゃごちゃさせる要因になります。

デスク整理は、誰もが身につけるべきスキル

デスクを整理整頓することは、社会人の誰しもが身につけるべき必須スキルです。

机が広いぶん、余計なものを置きやすくなっているかもしれませんし、逆に机が狭いからといって必ずしも散らかるわけではありません。

自分の日頃の仕事で使うアイテムに対して、どれを残しどれを残さないか。
それを常に判断していくことで、机をきれいに保つことが出来ます。

それでも残るものは、定期的に掃除の機会を設けることによって、思い切って捨てる時間を作るべきです 。

綺麗にしようとすると、スキャナや整理の仕方を考えるようになる

机を整理しようとするとき、最も邪魔になるのが書類や本の存在です。

経験を積んでいくとほとんどの書類は取っておいても意味がないことがわかりますが、若手社員のうちは全ての書類が大事に思えてきてなかなか捨てるのが忍びないでしょう。

その場合は、スキャナーでスキャンして、データ化しておくという手段が有効です。
仕事で使う大抵の書類はA4またはB5でしょうから、市販のドキュメントスキャナーと呼ばれるタイプのスキャナーで次々とスキャンしていくことができます。

スキャンした書類は、スキャナーに付属のソフトで内容が文字検索できるPDFにできるので、ファイル名だけ揃えてあとはパソコンに保存しておけばOKです。
富士通のスキャンスナップと、裁断機を揃えることで、書類はだいたい整理できます。

ここで覚えておきたいのは、スキャナーが使える人だけがデスクを整理できるのではなく、デスクを常に整理整頓しようと考えることでスキャナーを使う習慣ができてくるということです。
スキャナーを使ってデータ化し、不要になった紙はすぐに捨てるという習慣は、意識的に身に付けるものです。この習慣が身につけば、机に溜まる前に毎週スキャンする時間を取ってこまめに整理整頓することができます。

不要なものがわかるとそもそも机に置かなくなる

ここで大事なのは、自発的に整理整頓の習慣を身につけなければ整理整頓はうまくならないということです。

誰かから強制的に「デスク、整理整頓したほうがいいよ」と言われるのではなく、自分なりの整理整頓のタイミングをもっておくことが大切です。

自分なりに「これは残す、これはスキャンしてパソコンに入れておく、これは書庫に入れる、あとは捨てる」という明確な基準を持っておけば、あらゆる物事に対して机に置く前に判断することができます

「この資料はスキャンしたところで半年以内に一回も見る機会がなかったから、スキャンしても無駄だった。次もこの書類が来たら捨てることにしよう」
「この手の書類はどうせ捨てるから、最初から置かないで捨てるようにしよう」
など、ルールが明確化することで、片付けは自動化し、無駄な作業が減ります。

スキャンすれば紙を捨てられると言っても、スキャン自体にも手間がかかりますし、パソコンのハードディスクの容量も限界があります。なんでもかんでもスキャンしていても、どうせ見ないものをパソコンのハードディスクに入れておくのも無駄ですからね。

机を毎日まっさらにして帰ることに挑戦してみる

僕の会社員時代の経験で、毎日机の上をまっさらにして帰る編集者の先輩がいました。

編集者のデスクは大抵、企画書や営業資料、また企画書を書くために購入した本や雑誌でいっぱいになっているものですが、その先輩は本を1冊も机の上に置かずに帰っていたのです。

マグカップも文房具もなく、ノートパソコンですら机の中の引き出しに収納していました。机の上にあるのはコンセントのケーブルだけで、まるで退職した人のデスクのようでした。

その先輩は会議などで配られるほとんどの資料を紙媒体で保存することなく、ほとんどを捨てて、一部だけスキャンしてパソコンに保存していたようです。
しかしながら、必要なデータはすぐに取り出していましたし、企画書も一流でした。その先輩が困っているところを見たこともありません。

そのレベルになると、おそらく机をきれいにして帰ることが習慣になっているのでしょう。普通ならパソコンの電源をシャットダウンするだけで帰宅するところを、机の整理までが「帰る作業」に含まれていたのだと思います。究極の習慣ですね。
その日の資料があれば帰宅時間までに残すか判断していたはずです。

もしあなたが会社のデスクが決まっており、自分で整理整頓できる環境であれば、1日だけ机をまっさらにして帰ってみるのもいいかもしれません。

一度まっさらにしてみたら、「意外とできるな、毎日やってみようかな」、という発見があるかもしれません。
または、「机の引き出しが入らないから、机の中も整理しよう」という考えに至るかもしれません。

デスクの整理整頓のコツがわかる本

ではここからは、より細かい考え方やテクニックを解説したデスク片付け本を紹介します。

コクヨ式 机まわりの「整え方」 社内で実践している「ひらめきを生む」3つのコツ

本書はいわゆる片付け本ではなく、その前の前の段階の「思想」そのものを授けてくれるという意味で、かなり特異な本です。
コクヨ製品を中心とした片付け本だと思って読むと落差に驚きます。

著者はコクヨが運営するウェブメディアのメンバーということもあり、「いかにオフィスの生産性を個人と集団両方で高めるか」について深い思考を持っており、本書はその入門から実践までを扱っています。

序章に書かれるのは「デスク」と「テーブル」と「カウンター」と違い。机の形によって、人の意識も変わるという話からスタートします。
続いて1章には、個人のデスクについての話がなされます。ここは普通の片付け方法になりますが、「文具は机の中に入れない」「机の引き出しはすべて使わない」など思い切った話がなされ、常識を揺るがされて面白いです。

単にきれいなだけではなく、人に見られても大丈夫で、おまけに生産性も高い。そんな最強のデスクとオフィスの作り方がわかります。