フリー編集者として僕が読者に約束したいこと

フリーランス

フリーランスの編集者とは

僕自身、フリー編集者として活動しています。

ここでは、書籍編集者ということを前提に、フリー編集者とはそもそも何だろうということについて伝えていきたいと思います。

フリー編集者というのは特定の出版社に属さず、フリーランスとして活動している編集者のことをいいます。

書籍でも雑誌でも、本を作る過程においては必ず編集者の存在が必要になります。
特に書籍編集の場合は、一冊に対して必ず一人の編集担当を置くことが通例とされています。

例えば大手出版社で本の企画がある場合、大手出版社の担当者はその本だけに集中する時間がなかなか取れず、実際の制作過程を自分の会社とは別のフリー編集者に任せるということがあります。

この場合、大手出版社から本が出るとしても、実際に作っているのは会社とは別のフリー編集者、ということになるのですね。

また特定の期間に大量の本を作らなければならない場合や、12月末・3月末など特定の時期にたくさんの本を作らなくてはいけない場合に、どうしても編集者の人手が足りないということが起こってきます。この場合、どうしても社員だけでは間に合わないため、外部の編集者を雇うことでマンパワーを増やすというわけです。

フリーランスとしての編集者の動き方

フリー編集者は基本的に複数の出版社と同時並行で仕事を進めているため、それぞれの会社にフリーランス用のデスクが置いてあるというよりは、デスクはなく常に出版社のオフィス以外のところで仕事を進めているということが一般的です。

フリーランスに対しては、給料ではなく「報酬」という単位でお金を支払うことになっています
月額制の給料ではなく、 一冊いくらという単位で契約を結び、やり取りするというわけです。

この場合、基本的に印刷までのすべての工程を完成させることが仕事の条件となっています。
そのため、途中で企画が中止になったり、個人的な都合で企画を投げ出したり、印刷までの段階で大きなミスがあったりすると、報酬はゼロということもありえます。

フリーランス編集者の魅力

フリーランス編集者の最大の魅力は、自分でやりたい本だけ仕事にできるということです。

特定の出版社に社員として属していると、会社の方針や年度の予算の都合、また他の社員の担当作との兼ね合いなどで、どうしても「ノルマ」が課されます。
好きな本だけを好きなだけ作るということがなかなか難しくなります。自分が好きではないけれども 売上が見込めるから会社のために時間を使わなければならないというのは会社員編集者の宿命というわけですね。

あまり好きではないからといって本作りの時間を短くすることはできず、気持ちが乗り切らないまま半年間その本を作り続けるということもあります。僕もそんな時期がありましたし、会社員である以上避けられないものだといえます。

一方フリーランスは、本の企画が立った時に乗り切らなければ断ることができるし、そのときそのときで面白い企画を提示してくれる出版社とだけ組むこともできます。
また会議や社内行事など、出版編集に関する業務以外の一切の仕事をやる必要がないため、仕事に無駄な時間がありません。

ビジネス書において本作りは企画段階によい著者にオファーしてよい企画構成案をプロットすることが何より大切であるため、それだけを専門に行なうことで仕事の集中を図る、という働き方も可能になります。そのため、フリーランスながら、本づくりの要素である取材や校正作業すらも他の人にほぼ任せて、企画だけをやるというタイプの人もいます。

フリー編集者として僕が読者に約束したいこと

僕自身も2015年にカドカワを退職してフリーランス編集者となりましたが、せっかくフリーランスとして活動を始めた以上、できる限り自分の作りたい本だけを作り続けていきたいと思います。

自分が会社員時代に作っていた本は30冊以上ありますが、ほとんどがビジネス読み物、自己啓発分野と経営者の本が中心でした。
今後もこれら得意分野を生かしつつ、自分と同年代、または同年代以下の読者に向けて、仕事の成長のきっかけや知識を与えるような本を作っていきたいと思います。

個人として活動しているため大きな予算がかかるような企画はなかなか難しい面があります。しかし、そのぶんフットワークの軽さと企画の柔軟性、大人の事情などの制限などは一切ありません。

インターネットという媒体で常に読者と交流を図りながら、
・いま、読者が求めているもの
・聞きたい話
・会いたい人
に耳を傾け、 自分の培った経験と技術でそれを手に取りやすい形でコンテンツ化し、届けたいと思っています。

フリー編集者は油断すると、ただきた仕事をこなすだけの「作業屋さん」になってしまう面もあります。僕自身も単なる作業係として動いたこともありました。

しかし、いつまでも名前の見えない作業屋さんでいることはやめたいもの。
限られた時間のなかで、自分の出せる価値を最大化していきたいと思います。

そのためにブログに日々考えやスタイルを書いているし、情報収集や新しい知識の勉強も欠かしません。
読者からの要望や質問にも、できるだけ答えていきたいと思います。

このブログで「強い読者を育成する」とうたっているのは、編集者としての僕の意思表明でもあります。
良い本の良い編集者になれるべくこれからも精進していくので、ぜひこのブログの読者もついてきてほしいと思います。

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