ウェブ編集と紙の雑誌の編集は、こんなにも違う!

編集

ウェブ編集は雑誌の編集とは大きくことなる

ウェブは「プッシュ」ではなく「プル」

こんにちは、編集者のはやのん(@hayanon880)です。

僕自身のメインは書籍=本の編集者ですが、本の編集だけじゃなくてウェブの編集を勉強することで、自分の編集の幅が広がったな〜と最近感じています。

ウェブの編集は、雑誌とか本の編集と大きく異なります。起業して3年ですが、まだまだ結構勉強すればするほど差が分かってくるわけです。

本や雑誌を出す時は、9割方リアル書店に出すわけですから、「プッシュ」になります。つまり出版社側が自分の都合で出す、出されたものが買い手が見に来る構造で、これはずっと変わってなくてプッシュ型のビジネスモデルです。

一方でウェブは「プル」のモデルです。リアル店舗がないし、リアル店舗に足を運ぶ人もいな、つまり来てくれる人がいないわけで、誰もいないところに声を立ててそこでショーをやっているようなもので、まず人が来てくれる仕掛け(=プル要員)がないと何も気づいてくれない。これがウェブのプル型モデルの性質だと思います。

ウェブは、立ち上げ時のインパクトが低い

ウェブは自由に考えて、その日にでも世の中に出すことができます。検索されるまでには3〜6ヶ月はかかりますが、それでも本を出すよりも早いでしょう。
ただ、すぐに出せるぶん、参入障壁が低い。おまけに、誰も知らない、つまり出すときにインパクトがない。これがウェブの特徴です。

結局作っただけで誰もきてくれないし、 Google に検索エンジンとしてページを評価してくれないとそもそも検索にも上がってこないわけです。たくさんの人に見てもらうよりも、まず検索エンジンに評価されるということを念頭において最初立ち上げことが必要だと思います。

そこで大事になってくるのが、PVよりもだいじな「ページ評価」ということになるんですね。
本や雑誌の売り上げだと書店からの売り上げデータを見ることでおおまかに世の中からどんな評価を得られたかを確認することができるんですけれども、ウェブの場合その評価を最初にするのが一企業のGoogleというわけです。

そのためにはいろんなページとページをつなげる、リンクという要素を大事にしていく必要があります。
リンク同士が密接につながっているサイトは評価が高いとされていますが、それだけ大事な要素なのですね。

SEOの仕組みを学ぶと、通説の意味がおおまかに理解できる
こういったウェブのルールがいくつかあるんですけど、SEOの仕組みに分類されると思うんですよね。SEO仕組みを学んでいくことで、編集でも大事なポイントが分かってくる。

なんとなく巷でよいウェブページになるには何が必要かというところが言われていると思うんだけど、通説の意味もなんとなく理解できるし、その通説を元に、自分が作っているページをどういう構成にしていったらいいかというのが分かってくるわけです。

ウェブの知識の有無は、メディア立ち上げ時に差がつく

ウェブのルールを知っているかどうかで、メディアの立ち上げの時に大きく差がつくなと思います。

僕も起業してすぐウェブサイトを作り始めたときは、有名な人を入れればひとまずサイトは成り立つんじゃないかと思っていたけども、それだとサイト自体の構造がはっきりしないまま、コンテンツを入れてしまうことになるので、いわば雑誌のデザインもないままページだけあるような状態になっているわけです。

これだと評価もされないし、たとえ有名な人が SNS でシェアしてくれたとしても、サイトとしてはページがあるだけで意味をなさないなと思いました。

ウェブサイトは一つのページを見てもらうだけじゃなくて、いろんなページを見てもらって最終的に自分が一番見て欲しいページにたどり着いてもらうのが肝要。そのため、読者の見てくれるルートや、設計しつつも長期期間でサイト自体がどのように大きくなっていけばいいのか考えられる人が大事だなと思います。

良い編集をするためには、ウェブの掟を勉強しないと考えることはできないし、自分の限られた時間と労力またはクライアント側からの限られた予算を上手に使って組み合わせていく。それがプロの仕事だと思います。

一番大事なのは、一番地味なページ

これまでは雑誌をつくる気持ちで、こんな人を入れたいとか考えていたのですが、ページ評価という観点からいくと最初にやるべきは、地味すぎてあまり気にする人がいない「サイトマップ」になります。勉強していくと、あんまり見る側は意識してないサイトマップが大事だなと思うわけです。むしろページ評価を作るのに大事なサイトマップを最初に作っていくことが大事です。

クライアント側もサイトマップの重要性を知らないので、サイトマップがGoogleにとってどれだけ重要なページかを最初に説いてあげることが、必要だと思っています。

サイトマップで、そのサイトが扱うべきテーマを網羅することと、テーマごとの大きな括りと小さな括りを区別し、その包含関係を整理することが必要です。

サイトマップでそのサイトが扱ってるテーマの大きなキーワードと小さなキーワード分類して、どのキーワードがどのキーワードの中に入っているかを全て整理しておきます。

今後サイトをやっていっても、そのジャンルからはみ出ることはまずないよね

この状態にしてから始めないといけないですね。サイト自体がめちゃくちゃな構造になってしまうので、そのジャンル出しネタ出しってのは大事かなと思います。

さて、このサイトマップにおけるジャンル分けは、実は編集者が持ってる能力の大事なものだと思っていて、むしろウェブの編集者よりもジャンルの大きさを知ってる書籍の編集者とかの方がよっぽど得意なんじゃないかって思ったわけです。

こうして、ウェブの掟を勉強することで、出版業界や出版業界出身の人でも自信を持って編集できる。今まで培ってきた長期のスケジュール能力とかジャンル分けの能力が発揮できるのではないか。僕はそう思っています。