こんにちは、編集者のはやのん(@hayanon880)です。
日頃から異業種交流会やビジネスセミナーに参加しているんですけれども、そこでよくあるのが「起業家向け」という言い方をするイベントなんですね。
こうした「起業」という言葉なんですけれども、「起業」の意味合いが実はちょっとずれている事があるんですね。
特に起業する前だとどうしてもその意味の区別がつかないことがあります。
今回はその「起業」という言葉の意味について、注意点をお話していきたいと思います。
起業家は大別して2種類
起業家は大別して2種類あります。
一つ目がベンチャー社長タイプ。
会社を興し社員を増やし事業を大きくし、最終的には自分がいなくても回るものをつくる。最後は他の会社に事業譲渡しても回るようなシステムを作り上げていく。
これが一つ目の「起業」です。
ベンチャー企業はこちらに入れられます。メディアで「次世代の注目社長」などと尊敬を集めるような意味での起業です。
二つ目が個人事業主タイプ。
会社に所属せず自分自身が事業主となって事業を運営していくかたちですね。
この場合全く新しい事業をおこす必要はなく、個人事業主として世の中で成立している事業を自分自身も行なう。ないしは、会社を大きくするほどではないが数人のスタッフを雇って住居兼店舗でのビジネスを行なう。
こうした小さい形の「起業」もあります。
さて、実際世の中で行なわれている起業家向けのイベントは、これら二つの意味合いがひどく混同されています。
主催者側も都合の良いようにとってしまっています。そもそも違いがあることに気づいていないというケースがほとんどです。
例えば投資家やコワーキングスペースが主催するイベントは、どちらかといえばベンチャー起業家向けの意味合いが強いです。
いっぽう、商工会議所が主催する起業セミナーはどちらかといえば事業主向けの内容になっています。
そのため、ベンチャー企業家向けのイベントで名刺交換すると、「社長なんですね! すごい!」と言われることがあります。これは授業の社長がすごいと意味ではなくベンチャー企業の社長と混同しているケースです。

お互い不幸になりますから、起業にもいくつか種類あるということを知っておくべきだと思います。
さて、今後起業を考えている人、社長になってみたいと考えている人は、これらのベンチャー企業型の起業とスモールビジネスタイプの起業の2種類があることを注意して心に留めておくべきだと思います。
間違えると大変です。
僕自身もそうでした。
起業してからの数年間、何かわからないことがあって調べてもベンチャー起業向けの情報ばっかりで役に立たない。
資金調達や株式売却みたいな、ベンチャー向けの情報ばかり出てくるのでよくわからないということが起きてきます。
僕も起業してすぐ、投資家の飲み会に呼ばれましたが、終始話が理解できませんでした。これはお互いの「起業」の意味が180度ぐらい違っていたからなんですね。時間の無駄でした。
あなたはベンチャー起業?スモールビジネス起業?
さて最近は、起業ブームだなんだと言われがちなんですけれども、実態はスモール型の起業も常に一定数あるんですよね。
会社を辞めてひとりになったり、家業を継いだりすることで、一定数のスモールビジネスが生まれているわけです。
この二種類ですが、その人にどちらが向いているのかは実はやってみないと分からないところもあります。
ベンチャー企業の社長は、できる限り仕事をシステム化して規模を大きくしていかなければいけない。
しかし、例えば作業が好きだったりクリエイティブなことも関心があると人に任せることに抵抗があるというケースもあるんですね。
この場合、任せたくても任せられないときがつらいんですね。
自分自身が作業にこだわってしまう。するとベンチャー企業なのに属人化して成長しないということが起きてきます。気をつけたいところです。
一方でスモールビジネス型の起業だと、こちらはこちらで向いていない人もいます。
経理や営業も全て自分で行なわなければいけませんし、契約書も作れなければいけません。
仕組み化できない属人的な作業が多いと、仕事に忙殺されがちです。
これは一人社長であってもフリーランスであってもほぼ一緒です。
スモールビジネス型起業は「独立・開業」という言葉で書店で多くの方が出ていますし、やはり学ばないとどうしてもひとりでできる成果が限られてしまうものです。
属人化して作業に殺されないよう、効率化・外注化・仕組み化する工夫が必要になるでしょう。

以上のようにベンチャー起業型の起業と、スモールビジネス型の起業の2種類があることについて注意点をお伝えしてきました。
セミナーイベントであれ情報収集であれ、起業の意味合いが違う可能性がある、ということを常に意識しながら判断を間違えないようにしてください。