若手社会人が仕事で使える文章力が身につく本とその実践方法

アウトプット・実践術

社会人になると、毎日一定量の文章を書くことが求められます。毎回全く新しいものというよりは、ある程度決まり切ったなかでうまくやりとりすることが大事になります。社会人にとっての文章力の考え方についてまとめたのち、本をいくつか紹介していきます。

若手社会人が文章力を問われるシーンはメール

取引先や上司へのメール

社会人になってもっとも文章力が試されるのは、まず「メール」です。 取引先や上司へのメールを書いているだけで1日の大半が過ぎていくでしょう。

・冒頭の挨拶(いつも、お世話になっております、など)
・今回扱いたいテーマについて(〜についてですが、〜の件についてという書き方)
・要件
・添付ファイルがあればその説明
・添付ファイル(添付を忘れがちですから気をつけます)

などを、できるだけコンパクトに書きます。

昨今では従来のサーバーメール(毎回、アドレスバーにアドレスを打ち込んでメールを作成するもの)だけではなく、チャットワークやSlackなどのグループウェアのアカウントでやりとりすることも一般的になりつつあります。

またフェイスブックやLINEのメッセージで仕事の連絡をすることもあります。

しかしながら、こういったカジュアルツールにおいても、「お世話になっております」「いつもありがとうございます」など一言を入れるか入れないかで印象は変わりますから、文章力はいずれにせよ必要です。

直属の上司など社内の近いグループであれば短くできますし、 同じ社内でも社長や役員、他の部署などに送る場合は丁寧めに書いたほうがいいでしょう。

またこれまで長く取引のある取引相手であっても、「お世話になっております」の定型の挨拶は忘れないようにします(たとえお世話になっておらずこちらが一方的にお世話している場合でも書いた方が無難です)。 「親しき仲にも礼儀あり」ですね。

営業メール依頼メール

続いては、あったこともない人にメールアドレスだけを見てメールを送るとき。

たいていは営業メールや告知メール、相談や取材の依頼メールではないでしょうか。

見ず知らずの相手からメールが来た場合、あなたならどうしているでしょうか。
たいてい、読みもせずにゴミ箱に入れてしまうと思います。
あなたが送るメールも同じように扱われていると考えましょう。

読んでもらうためには、
・要点を最初の数行にもってくる
・全体で伝える内容をコンパクトにする
・添付ファイルなどは最低限のデータ量にする
・リンクを貼る場合は、自然な流れで貼る
・本文内容と無関係なリンクを貼らない

などの配慮が必要になります。

営業メールの文章については、文章力というよりはじつはセールスコピーライティングに近いのですが、 「もっと上手にかけたらなあ」と感じるシーンとして多いのではないでしょうか。

NOをできるだけ上手に言う

もう一つのメールの例としては、あなたが何かを断るときにメールで返事するならば、上手なNOを言わなければならないということです。
それまで双方が時間をかけて進めて来たプロジェクトなどを断るならば、お互いが時間を無駄にしてしまうわけですから、ショックです。

それでも、「いま断らなければズルズルといってしまう・・・」と覚悟して、断りの連絡を入れるでしょう。
会社員であるあなたが送る返信メールは会社全体としての返信と同じ扱いですから、言葉遣いには慎重にならなくてはいけません

・なぜ断るのか、その理由
・今後も可能性はないこと
・「これに限らず、弊社を今後ともよろしく」といった社交辞令

これらをできるだけ自然な流れで書くことが求められます。

どうせもう関係を断つのだから、「もう、あなたとはやりません」という一言だけを返信したくなります。
しかし、断ろうとしているその相手が、自社の他の社員と何かやりとりしているかもしれません。
共通の取引先がいるかもしれません。
あくまで会社との関係を保つために、NOを言う際にもできるだけ時間をかけて丁寧に言うことが必要です。

プレゼン資料・企画書で概要を3行でまとめる

メール以外で文章力が問われるのが、プレゼン資料・企画書です。
プレゼン資料では図解でわかりやすくするところと文章でまとめる箇所があります。

特に冒頭の概要や途中のグラフの説明などで、複雑な内容をできるだけ短い言葉でまとめる必要があります。

長くて丁寧なものが求められるメールとは大きく異なりスペースの制約があるため、簡潔な言い回しを覚えておく必要があるでしょう。

文章力のキーフレーズが満載の本から読もう

では実際にオススメの本を紹介していきます。

短いフレーズで気持ちが伝わる モノの書き方サクッとノート

まずオススメなのが『短いフレーズで気持ちが伝わる モノの書き方ノート』(平野友郎・著)です。

こちらは本を開いてみるとわかりますが、まるで英単語帳のようにたくさんの例文がまとめられています。 表紙だけを見ると初心者向けのようなポップなイメージを感じるかもしれませんが、中身は肉厚。

ふつう、文章力を上げるにはフレーズを知ることが大事ですが、 メールに使う「メール用の言葉遣い」というのは実際にいろいろな会社の人とやりとりするなかで磨かれていくものです。

その過程を省略して、フレーズだけを覚えることができるため、メール文章の上達においては非常に効率的だといえます。
僕も社会人1年目のときには使えるフレーズが少ないなかでやりくりしていましたが、こういう本があればなと思っています。

気のきいた短いメールが書ける本――そのまま使える! 短くても失礼のないメール術

メールに慣れてきたり、普段メールをやりとりする相手にどんな人がいるのかが固まってきたら、こちらの本をプラスしましょう。

より具体的なシーン別でメールについての考え方がまとめられています。社会人数年でメールに慣れてきたら、これに落ち着いてくると思います。
だいたい実戦ではこれくらいのメールをやりとりすればシンプルで十分です。

この本のメールは「ちょうど良い短さ」。
この本に書かれている文章よりも短くしようとすると、相手によっては「簡素すぎるメールだな、なめられているのではないか」と思ってしまうかもしれませんから、ギリギリまで短くするとどれくらいのメールになるかがよくわかる良書です。
社会人1年目というよりは、「私は普通のメールも書けますが、あえて要点を押さえてますよ」と相手がわかるくらいの年代(社会人3年目をこえたあたりでしょうか)あたりから使えたらベストでしょう。

なお、僕自身もこの本に載っているくらいの分量のメール文章だけでふだんやりとりしています。

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