ベストセラーとは
ベストセラーとはある一定期間の間で最も売り上げ数を記録した本のことを指します。
例えば書店店舗であれば1週間以内などの範囲で集計されることが多いでしょう。
ネット書店であれば機械の自動判定によってランキングを決定することができるでしょうから、1週間とは言わずさらに短期間の間での集計になります。
ただし具体的に1位の本と2位の本がそれぞれ何冊売れたなどの情報を見ることはできません。あくまでお店の人が入っている「売れた」本です。
リアル店舗の場合ランキングを決めて一位の本を陳列しているのはあくまで人間ですから、ベストセラーランキングの提示と陳列にあたっては「売りたい意図」が介入する可能性は否めません。
「この本を今売りたい。週間ランキング1位ということにして、目立つように並べたい」と考えることも可能です。
またお店側の操作がなくても、買う側が有名店舗で一斉に同じ本を示し合わせて購入すれば、ランキングは自動的に上がっていきます。
例えば駅前の大型書店。
店舗の周囲には駅前ですから予備校が多く、予備校生がたくさんいるわけです。
受験勉強について本や英語についての本がでたとき、誰かが「ぜひ買ってください」と呼びかければ、ランキング上位に上げることはそれほど苦ではないでしょう。
アマゾンのベストセラーの特徴
続いてネット書店の例として Amazon のベストセラーの特徴についてお話しします。
Amazonのベストセラーの特徴は何より、ジャンル分けが細かいことと、集計時間が短いことの2つがあります。
ジャンル分けが細かいというのは、同じビジネス書であっても、その細かい内容ごとにさらに狭い範囲のランキングが作成され、その中で1位が決まるということです。
ジャンルを狭めれば狭めるほど、ライバルの本は少ないわけですから、ジャンル1位を取る可能性は上がります。
さらに集計期間が短いことで、知り合いが数人、同じタイミングで買ってくれるだけでランキング上位に上がることは珍しくありません。
ビジネス書だけでこれだけの小ジャンルがある
アマゾンの中で「ビジネス・経済」ジャンルの分類として以下のジャンルがあります。
経済学・経済事情
産業研究
マーケティング・セールス
経理・アカウンティング
金融・ファイナンス
オペレーションズ
マネジメント・人材管理
統計学・数学
経営戦略
経営学・キャリア・MBA
実践経営・リーダーシップ
IT
ビジネス人物伝
ビジネス読み物
ビジネスの法律
ビジネス実用
参考図書・白書
一口にビジネス書といっても、これだけ分けられているのです。
読みやすい一般向け読み物であっても、「ビジネス読み物」と「ビジネス人物伝」、「ビジネス実用」など細かく分けられるわけです。
経営についての本であっても、「経営戦略」「経営学・キャリア・MBA」「実践経営・リーダーシップ」と、分けるのが大変なぐらいです。
アマゾンランキングのつくり
では、実際にどこのページにAmazonランキングが表示されているでしょうか。
<大ジャンル:ビジネス・経済>
Amazon ページのメニューから Amazon ランキングをクリックすると、大ジャンルごとのランキングがまず表示されます。
ビジネスであれば「ビジネス・経済」全体のランキングが表示されるというわけです。
ビジネス・経済 の 売れ筋ランキング
https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/books/466282
これがビジネス全体のランキングですから、ここにランクインするにはそれなりの売上実績がないといけませんし、他のリアル店舗でも他のネット書店でも売れている本が並びます。
<中ジャンル:経済学・経済事情>
続いて、ビジネス・経済のなかの17つの中ジャンルのうち、上にある「経済学・経済事情」をクリックしてみます。
すると、その中にさらに6つの小ジャンルが入っていることがわかります。
経済学
経済思想・経済学説
経済史
財政学
各国経済事情
経済協力
小ジャンル:ビジネス・経済
さらに中ジャンルのなかの上にある、「経済学」をクリックしてみると、以下の6つの小小ジャンルがでてきます。
マクロ経済学
ミクロ経済学
国際経済学
現代経済学
経済学入門
資本主義論
ここまでくると、かなり具体的で、そのままのタイトルの本がありそうなくらいです。
実際にこの小小ジャンルの上の「マクロ経済学」をクリックしてみると、やはり『速習!マクロ経済学』という本がでてきました。
アマゾンは各ジャンル階層ごとに1位が決まっている
以上、Amazonランキングの内容について一例をご紹介しました。
これだけ小さいジャンルをさらに小さく分けているのですから、1位にもいろんな1位があることがわかります。
著者側は、どんなかたちでも良いので、Amazon1位を取りたいのであれば、小ジャンルのなかの小小ジャンルで1位を取ればいいのです。
他の新刊が発売されないようなときに、短時間(同じタイミング、1時間以内)にその本を何冊か買えばいいのですから。
逆に読み手からすると、いくらアマゾンで一位といっても、 そのジャンルを見ないと意味がないことが分かったと思います。小小ジャンルで一時的に1位になったものを「Amazonランキング1位とりました!」と喧伝している本もあります。
アマゾンのランキングが一時間ごとに更新されることを考えると、毎日アマゾン1位になる本は、「小小ジャンルの数」×「24時間」という膨大な数が、アマゾン1位になっているということがわかります。
アマゾンでベストセラーは見なくてもかまわない
このように考えてみるとAmazonランキング1位はそれほど気にしなくていいということがわかります。
人為的な操作もあるでしょうし、1位を取るのが比較的楽なわりにインターネット上で喧伝されると目立ってしまうため、必要以上に気になるからです。
しかしAmazon1位だから読む、としていると、とても全ては読みきれないでしょう。ビジネス書だけでも膨大な「Amazon1位」があるのですから。
Amazonランキングは参考程度にして、リアル書店の大型店舗の長い期間でのベストセラーを見る(月間、週間など)ほうが確実かもしれません。
ただし、同一店舗ばかり見ていると、誰かが一斉に作為的に購入したときもあります。
異なる大型店舗のランキングを見比べることで本当に売れているかどうかを確かめることができるでしょう。
なお、現在土曜日9時30分から放送されているTBS「王様のブランチ」では、番組開始と同時に週間ベストセラーランキングが発表されていますが、あれをよく見ると特定の一店舗の総合ランキングをかわるがわる紹介しているだけだったりします。日本全国の正しいランキングではなく、あくまで特定の店舗のランキングです。
若手社会人がチェックしておきたいAmazonランキング
Amazonランキングには、上記のように作為的なものも含まれています。
それを踏まえた上で、このブログの読者である若手社会人がチェックしておくべきAmazonランキングのジャンルをお伝えします。
ビジネス交渉・心理学
大ジャンル:ビジネス・経済 → 中ジャンル:ビジネス実用 → 小ジャンル:ビジネス交渉・心理学でたどり着けます。
ビジネス交渉・心理学 ランキング
https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/books/505384
交渉というとハードなイメージがあるかもしれませんが、単に相手と上手く話す、伝える、コミュニケーションをとるといった本がランクインしています。
特に伝え方、話し方をタイトルにした本はロングセラーも多いため、ここにランクインしている本はチェックしておきたいですね。
仕事術・整理法
大ジャンル:ビジネス・経済 → 中ジャンル:ビジネス実用 → 小ジャンル:仕事術・整理法でたどり着けます。
仕事術・整理法 ランキング
https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/books/505380
仕事を効率化させて早く終わらせたり、机を整えたり、ファイルを整理したり。仕事をよりスマートに身軽におこなうための具体的なテクニックがまとめられている本が入っています。また「アイデア出し」「思考整理」など、物ではなく頭の中を整理する方法の本も多くあります。
ビジネスライフ
大ジャンル:ビジネス・経済 → 中ジャンル:ビジネス実用 → 小ジャンル:ビジネスライフでたどり着けます。
ビジネスライフ ランキング
https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/books/505432
仕事を楽にする考え方やちょっとした社会法則、人間関係の作り方、体のコンディションの整え方などの本があります。気軽に読める本が多いですが、役に立つものも多いと思います。
以上3つを紹介しましたが、これに隣接するジャンルは基本的におすすめです。
毎日とはいわずとも、月1回程度、読みたいものを探すときにチェックしてみてください。