本の出版を見据えて、ブログを立ち上げるコツ

アウトプット・実践術

ブログと本の違いを知ろう

ブログはそのまま本にはならない

こんにちは、編集者のはやのん(@hayanon880)です。

よくご質問されるのが、今までブログを書いてきた人からの「自分の2年3年書いたブログを本にしたいんだがどうにかならないだろうか」というものです。
大抵の場合は無理です。

なぜなら、ブログはそのまま本にはならない理由があるからです。

ブログは「web log」が語源ですから基本的に日記になっているものが大半です。
最初から設定がされていないと大抵はその時の物事をその都度書いており、時制がバラバラになっています。

また2〜3年もすると書いている人の立場や専門的な技能も変わってきてしまうため、そもそも本を書くための条件である著者の同一性というものも担保されなくなります。
またブログは明確に読者のターゲットを意識せずに自分の身の回りに対して書いていることがほとんどですから、誰に対して書いているのかがバラバラな場合がほとんどです。
言わば本の読者が定まらないということですね。
以上の三つの理由からブログはそのまま本にはなりません。

本にするには最初から設計が必要

逆にブログを本にしたいのであれば、ブログ立ち上げ当初から本の出版を見据えてブログを立ち上げる必要があります。

具体的には、ブログに書くべき一つ一つの記事のタイトルやブログごとの記事の役割、またサイトマップと呼ばれるブログ全体を俯瞰するページの構成に至るまで、緻密な設計を行ってからブログをスタートさせる必要があります。

また先ほども言ったようにブログを1年書いていると著者の立場や著者の属性が変わってきてしまうので、それを防ぐために最初にどんな著者のプロフィールとして書くか、つまり書き手を固定することが必要になります。

そのためにはプロフィール作りやどんな立場から何を切るかといった細かい執筆の設計まで必要になりますから、相当なエネルギーが必要になります。
また読者対象に関しても一つに限る必要がありますから、最初にこのブログは誰のどんな悩みに向けて書いたブログです、というの明示する必要が出てきます。
本にするにはこれだけの設定が必要になってきますから、ブログのおまけとして本ができるということが不可能であることがお分かりいただけたかと思います。

本の出版に直接つながるブログ立ち上げのコツ

本の目次イメージを先につくる

では実際に本の出版を見据えてブログを立ち上げるには何をしたらいいでしょうか。
第一に本の目次を作ることが必要です。
目次と言うと本を買って読む時にはあまり気にしない人もいるかもしれませんが、実際に本を作る側になるとこの目次こそが本作りの大事な部分となります。

本を5章40項目にして、1項目を1記事にする

本の目次の一般的な形が、5章立てで1章ごとに6項目から8項目程度、全体で40項目程度のものになります。
この本の項目を埋めていくことが最初の作業になります。
本文を書かずにまず目次だけ書いていくということです。
本を5章の40項目にしてみて7項目を記事にしていく。
こうすることで本の目次を作って、それをブレイクダウンしてブログにしていくという手順が可能になります。

ただし、本の目次を作ることは非常に難しい技術が入ります。

基本的に各章は役割を一つ決めなければいけませんし、過去の話であれば過去の章未来の話であれば未来の章、自分の権威を保つような章というのも必要になってきますから、各章ごとに役割を決定し、しかもその役割が章の並びによって最大化されることが望ましいです。

素人が書いた本だといきなり昔語りから始まるものがありますが、これは二流です。
過去の話と未来の話と現在の話をどう並び替えるかは、プロの技術が必要です。

編集者をブログ立ち上げの前段階で入れる

編集者をブログ立ち上げの前段階で入れるべきかという問いに対しては、この構成案を作るために入れるべきだと思います。
編集者をブログ立ち上げの段階で入れることで著者のプロフィールの設定や読者ターゲットの設定、また一つ一つの文字量の設定や文章文体、また文字の量の設定、執筆スケジュールに至るまで編集者のアドバイスを得ることでブログ立ち上げが容易になります。

執筆者プロフィールを仕上げて、ブログと本とで一貫させる

最初の準備のなかでも、特に執筆プロフィールは他の人と一緒に仕上げることが必要です。

自分がどう見られれば一番話が伝わりやすいかという客観的な視点は、編集者によってもたらされます。
執筆者プロフィールを仕上げてブログと本とで一貫させるために耐えうるプロフィールを作ることが大切です。

Hayano
プロフィールは単に学歴と職歴を羅列するのではなく、その本の内容に説得力をもたせる最後のひと押し。初めて本を書く人には、タイトルの次くらいに重要かもしれません。

以上、本の出版を見据えてブログを立ち上げる最初のステップについてお伝えしてきました。

実際には本の出版を見据えてブログを書いていくに際して、最初の段階で編集者を入れることが必要になってくると思います。

執筆は1年以上かかりなかなか最初の気合だけでは続かないところもありますから、編集者を依頼できるぐらいの予算を立てた上でじっくりと検討していくことが必要です。