制作会社社長の僕が学生インターンをとらなくなった理由
こんにちは、編集者のはやのん(@hayanon880)です。
僕自身、2015年に起業してすぐは学生インターンをとっていたのですが、2年目以降からあまりとらなくなりました。その経緯と今後についてまとめてみます。
僕の仕事の場合、学生インターンはほぼ間違いなくライターになります。
世の中、ライターになりたい人は結構いると思うんですよね。ライター認定講座やライター育成講座などは結構ありますし、高いお金を払ってでもライターになりたいっていう若い人結構いると思うんですよね。
一方で学生インターンだと大学4年生の後半に就職したらすぐいなくなっちゃうので、育てるのが大変な割にすぐいなくなっちゃうのが正直なイメージなんですよね。ライター育てるのにこちらからいろいろノウハウを出して一緒に付き従ったり原稿も対面で添削したりして育てていくんだけど、厳しい思いをしてうまくなったとしても、結局いなくなっちゃったりするのが問題なんですよね。
本人たちは成長の過程で最初は興味をもってくれるんだけど、最終的に「ライターってあんまり儲からないな」と分かるし、「儲からなくてもいいから好きなことをやりたい」とライターになる覚悟もなくて、普通の企業に普通の仕事として就職する。それが現実的に一般的な流れなんです。
すると、こちらが本気で弟子にするような気持ちで教えても、結構無駄になっちゃうんですね。「教えてもすぐいなくなるしなあ」という気持ちがちょっと出ちゃうので、なかなか学生インターンをとる気にもならないんです。
ただ、仕事が忙しくなってきて、ある程度任せられる仕事ができてくると、常に若いスタッフを採って育てることは選択肢に入ってくるんです。
インターン採用の売り込みの電話とかもかかってきますから。
4年目を迎えて、比較的こちらの動き方も決まってきたので、もう一回学生インターンとるならどういったことができるかなって考えてたんです。
いま、インターンに何を教えられるだろうか
インターンの一つとして、「取材のちゃんとしたやり方を学べる」ということができるかなと思います。取材をやりたい人がもしいたらインターンに来てくれてもいいかなと思いましたね。
ここでいう取材は、直接相手のところに行って、丁寧に質問をして、音声を録音したりメモをとったりして、内容を作っていくという一連の流れです。
単に人に会うだけじゃなくて、その人からどういった話を聞き出すのか、限られた時間で必要な素材をどうやってそろえるのかを事前に準備しながら、当日予定通り遂行しなければいけません。
「失敗が許されない中で自分のできることをやっていく」ことは、単に文章力以外の、例えばプロジェクト実行能力や会議の遂行能力など実行力そのものに関わってくるから、これはやりがいがあるんじゃないかなと思います。また、こちらも取材に一人で行くのもなかなか大変なので、取材のやり方を教えつつ手伝ってもらうのも大事かなと思いました。時間は絶対守らなければいけないのでなかなか大変だし、交通費もかかるんだけれども、学ぶものは多いかなと思ってます。
いろんな人にいろんな話を聞いていくってのは、編集者もライターも基本なので、日ごろライターと言ってる人達が取材でどういったことをしてるのか学ぶのは大事かなと思いますし、決してライターは家にいれば成り立つ仕事ではないなってのが分かってくると思います。
編集者はインターンで育てられるのか?
もう一つとるとしたら、編集のインターンでしょうか。
編集者はなかなか出版業界に就職しないとなかなかなれないので、学ぶ機会もないし、実際プロとして編集者と名乗るためには一定の実務経験が必要なので、編集者になるのは本当大変だなと思って、自分自身もよくなれたなと思っています。
もし出版業界じゃなくてウェブの編集者としてやりたいっていうのがあるのであれば、ある程度のことは教えられます。
ウェブの仕組みと本の作り方の仕組みの違いを知ったり、コンテンツを作っていく上で大事な優先順位の付け方とか、プロジェクトの進め方とか、予算の管理の仕方とか、一見地味だけれども、やっておくと後々の伸びが早いよってことを一定に教えられるかなと思ってます。
社会人インターンもあり?
ここまで考えてくると、社会人インターンも選択肢としてありかもしれません。
学生もそうなんだけども、社会人でより自分の実務能力をあげたいっていう人も楽しいかなと思ってます。
編集者が日頃どんな仕事のやり方をしていて、それが完成物の制作にどれくらい影響しているのかってのを実感することで上手な仕事のやり方が学べるのかなと思っています。僕自身も一人でこれだけたくさんのものを作ってるので、それなりに上手なやり方をある程度身につけてるつもりなんだけれども、完成形が見えてるかとかプロジェクト成功させるために誰に対して何を求めていけばいいのかといった人間関係の調整の仕方とか、単にパソコンでデータを触ってる以上のたくさんの物事があるので、それらを学んでいくことは大事なポイントになるかなと思っています。
ただ、社会人向けの編集のインターンは本気度が試されるのでもちろん無料ではやらせないですし、10~20万円くらい用意できる人が来てくれると、こちらも本気で教えられるかなと思ってますね。インターンというより講座に近いですね。ライターは結構実働部隊なので気持ちだけ持ってきてくれたらいいんですけど、編集者は覚悟と一定の準備がいるっていうのが正直なところです。
よく「誰しも編集者になれる」みたいなことを言ってる人がいるけど、それは嘘だと断言できます。
必要とされる能力が非常に大きいので短期間で誰でも教えるもんじゃないなってのは正直なところです。
学生、社会人ともにインターンではいろいろできるので、制作業全体に興味がある人も含めて、声をかけてくれたらいいなと思います。