これからエンタメ業界やマスコミに就職する⼈に知っておいてほしいこと

アウトプット・実践術

OB訪問を受けて感じたこと

こんにちは、編集者のはやのん(@hayanon880)です。

先日、友人の紹介でOB訪問を受ける機会がありました。

ふつうのOB訪問とちがって、どちらかというと悩み相談に近いかたちでした。

簡単に言うと、これからのエンタメ業界に行きたいんだけれども、迷っている、ということでした。
このコンテンツビジネスとか出版、雑誌、映像、テレビなどいろんなコンテンツ産業が変革する中で、自分はどうやったらいいんだろうかを相談しに来られたわけですね。

僕自身は社会に出て今7年目、会社員3年半で起業して3年というところで、「大変そうだなあ」と思いつつ、自分なりの立場でお話しさせてもらったわけです。

その方と話していくうちにやっぱり自分が就活してた時よりも、エンタメ業界やコンテンツ業界を目指すことについて、「迷う」時代にあるのかなとも正直感じています。

働き方の常識も変わってきて、同じ業界にずっといるのも当たり前じゃなくなってきたこともありますし、特にエンタメ業界は水もので、1年後や3年後にどうなってるのかわからない。もしかしたら売り上げが激減して、業界して成り立たなくなるかもしれないし、自分が憧れていたものができなくなるかもしれないという不安もあります。

その中で、それでも自分のやってみたいことに挑戦してみたい、という気持ちがあるからこそ、就活の限られたチケットを行きたい業界に使った、ということだと思います。

内定してから入社までは、迷いや不安も出てくると思いますが、ある意味当然のことだと思いました。

さて、話していて感じたのですが、今の時代、「入社時だけが運命の分かれ道じゃない」ということでした。

保守的なエンタメ業界に⼊っても、まだまだ学べることはある

エンタメ業界は、サイバーエージェントみたいなイケイケのインターネット企業みたいなのは除いて、基本的に保守的な会社が多いのではないでしょうか。

まだまだ閉鎖的だし、違う業界の人が入りにくい排他的なところもある。また、それぞれが独自の業界ルールの中で動いているってのもあるわけですよ。

ずっと戦後70年続いてきたいろんな業界のしくみはまだまだ学ぶところがあって、たくさんのものを継続的に作って世の中に広めていくために、どういう仕組みになっているのか。
その大きな仕組みを学ぶことで、自分が今後その業界で仕事していくために必要な大局観=大きな思考回路が得られると思います。

その基本的な感覚は、最初の3年間ぐらいで叩き込まれると思います。

僕の経験をふりかえってみても、出版業界の基本的なルールと本の作り方の考え方、本のマーケティングの考え方、本を書いてもらう著者の考え方といった、基本的な思考回路を叩き込まれたわけです。

新卒で入った会社で最初に習ったことを、起業してからもずっと大事にしているし、教えてもらって良かったなと思ってるわけですね。

ご存知かもしれませんが、出版業界はとても保守的な業界です(いまだにファックスが大活躍していますからね)。

ただ、自分の業界が保守的であれ、やっぱり長く続いてきたところにはそれなりの硬いやり方があるし、それを一つ身につけておいて自分の形にするのは大事だと思います。

これから業界にいく人は、その独自のルールのなかに飛び込んで、これから自分の貴重な20代の仕事の時間を捧げていこうというわけです。

ただ、「業界に染まる」という言い方はちょっと違うのかなと思っています。

その業界だけのスキルにしない

ただ一方で、その業界だけのスキルを身につけてビジネスマン人生50年間を生きていくことは考えない方がいいかなと思ってます。

つまり同じ業界にずっといるのではなくて、まず一つの業界でできることを身につけた上で、自分の次なる可能性を探っていく、ということ。

だから20代で転職するのもありだし、もっと実力と人脈をつけて30代半ばで大々的に起業するのもありかなと思ってるわけです。

自分の最初にいた業界をベースにしながらも、新しいことにチャレンジしていく。

例えば、コンテンツとインターネットを組み合わせたやり方に対して自分なりの方法論を考えて小さな会社を作ってもいいかもしれないし、フリーランスになってその時その時で一番面白そうな活動してる会社にジョインして、自分のそれまで身につけてきた業界の「古い」やり方を応用して活動していくのもありだと思うんですよね。

とにかく、その業界だけのスキルにとどまらないで、自分の得たスキルをいろんな業界で活かしていこうと考える。それが大事だと思います。

その代わり、新卒で入ったら、最初の3年で「自分がどういうスキルを身につけたか」をはっきり言えるようにならなきゃいけないと思うんですよね。

自分が何を身につけているのか分からないのでは、不安で他のことに飛び込めないですから。

それが例えば「企画力」かもしれないし、「プロジェクト管理能力」かもしれないし、制作チームをまとめる「統率力」かもしれない。また長期間のプロジェクトを粘り強く進める「実行力」かもしれないし、逆に社内で利益が相反する人たちをうまく調整する「コミュニケーション能力」かもしれないわけですよ。

おおまかにいえば、最初の会社で「○○力」とつくものをはっきり身につけて、しかもそれが他の人から見てもわかるようにするのが大事ですね。

「あの人は○○力があるから、どんな業界でも活躍しそうだな」と思われる状態にしておくことが大事だと思います。

自分の最初に入った会社で、まずは石の上にも三年。3年間頑張ってみることで、徐々に形が見えてくるものだと思うし、逆にその力が一つ二つあればどんな業界に行ってもその力をベースに頑張っていけると思います。

スキルの「セット」を⼿に⼊れるつもりで3年間を過ごす

保守的なほうのエンタメ業界は独自の風習と人間関係と、他の業界と全く違う観衆の中で社会人の常識を叩き込まれていくと思います。業界の中に止まろうとすることはやめて、自分はどんなスキルが得られるかを日々意識して過ごす。

そのスキルのセットを手に入れるつもりで3年間過ごしていくと、予想もしない未来がひらけてくると思います。